眼瞼下垂
眼瞼下垂とは、上瞼が通常の高さより下がっている状態を指します。
先天的なものでは、上瞼を引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)が生まれつき正常に形成されていないことが原因といわれています。(形成不全) 生後2~3カ月で症状の有無はほぼ決まりますが、手術を行う場合は集団生活に入る前の、2~5歳の間が適切と当院では考えています。
後天的なものは、成人してから目瞼挙筋の機能が何らかの原因によって低下、またはうまく伝わらない状態に陥っている状態です。麻痺性(動眼神経麻痺)、外傷性、コンタクトレンズの長期使用によるものなどのほか、加齢とともに生じる老人性眼瞼下垂症(多くの眼瞼下垂症はこのタイプです)があります。但し時に、加齢により上眼瞼の皮膚が弛んで目が開き難い(視野を遮る)のを眼瞼下垂症と間違えることもあります。
眼瞼下垂の治療
治療法としては、手術を行い、緩んでしまった目瞼挙筋を引き上げ、筋肉の働きを眼板(瞼を形成する軟骨)に伝わりやすくします。しかし、症状が重度な場合は、前頭筋つり上げ法(眉を上げる筋肉を利用する方法)を行います。眼瞼下垂はまず、正しい診断をすることが必要です。同時に眼の構造はたいへん繊細なため、高度な手術手技も必要です。
健康保険適応の場合には自己負担金として、健康保険規定の初診料、再診料、検査料、処置料、手術料、処方料が3割負担の場合、3割負担分で発生します。