帯状疱疹
帯状疱疹とは、ウイルス(ばい菌の一種)により引き起こされる発疹と神経痛です。まず、ピリピリとした違和感や痛みを皮膚に感じるようになり、その後皮膚に水疱や赤い丸い発疹が出てきます。発疹は手足や体、頭部ともに片側にだけに出てくるのが特徴です。皮膚症状については1~2週間から長くて4~8週間ほどで症状が改善されますが、それに伴う神経痛は、痛みの程度は人によりまちまちですが、かなり長期間神経痛が続くこともあります。場合によると、顔面や頭にできる発疹から、目に感染して視力障害を起こしたり、顔面神経の麻痺を起こしたりすることもあります。
原因は、幼少期にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルス(体の中の神経に長い間潜伏していたもの)が、何らかのきっかけで再活動を始めることによります。疲労やストレス、免疫抑制の投与などにより、免疫力が低下することで症状が出る場合が多いようです。帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルスですので、水ぼうそう(水痘)にかかったことのない方やワクチン未接種の方にはうつしてしまう可能性があり、特に小児の方には注意が必要です。
帯状疱疹の治療
帯状疱疹の治療には3つのステージがあります。一つ目が、痛みの緩和、二つ目が、発疹を抑える、三つ目が、神経痛が長引かないようにすることです。
治療には、なるべく早い段階で抗ウイルス薬を使用する必要があります。また皮膚を保護し炎症を抑えるための外用薬や、痛みをコントロールするための鎮痛薬を用います。痛みがとても激しく、長期間続く場合は、麻酔科やペインクリニックにおいて神経ブロックを行い神経のまわりに直接局所麻酔を注射する治療法もあります。
日常生活の注意点
- もし帯状疱疹になってしまった場合は、しっかり休養をとりましょう。帯状疱疹は肉体的にも、精神的にも疲れているときに発症しやすいため、早く治すためにも十分な栄養補給と休養が必要です。
- 抗ウイルス薬は効果が現れるまで2~3日かかります。すぐに効果が見られなくても、医師の指示に従い服用してください。
- 入浴は問題ありませんが、入浴後は清潔なタオルで軽く抑えるように水気をとり、処方された外用薬を使用してください。
- 水疱瘡のリスクを避けるため、小さなお子様や妊婦さんにはできるだけ接触しないようにしましょう。