ケロイド
一度治った傷が、1~2ヶ月して赤く盛り上がってしまうことがあります。これは、傷の治る過程が過剰に起こっている状態で、最初の傷の範囲を超えてまわりの正常な皮膚まで盛り上がってゆくものです。
ケロイドの辛さというのは、見た目のコンプレックスとなってしまうだけでなく、痛みや痒みを伴うことです。また皮膚が引っ張られるような感覚を持たれる方もいらっしゃいます。さらに、大きな塊になっている場合は、塊の中に埋もれた皮膚成分が化膿して痛みが出ることがあります。
現在の医療においては、ケロイドの原因は、まだわかっていません。”ケロイド体質”という言葉があるように、ケロイドは遺伝的な要因や、他の要因も多く、何代も続くケロイド家系は日本人では稀です。ケロイドを起こしやすい原因として、皮膚の緊張が強いところ(引っ張られる部位:肩など)や傷が化膿した場合(傷が治るのに時間がかかった場合)などがあげられます。
ケロイドの治療
一般的にケロイドの治療は、盛り上がった組織を切除して、縫い合わせます。ここで大事なことは、再発をしないように縫うことになります。皮膚の緊張が強いところにできやすいとされていますので、緊張がかからないように縫っていきます。切除するだけでは、術後同じように盛り上がったりする事もあり、その後のケアが重要です。また見た目の回復のため、電子線照射療法と呼ばれる放射線を使った治療を行うこともあります。